黄連湯
今回は、120番の黄連湯です。
効能・効果は、「胃部の停滞感や重圧感、食欲不振のある物の次の諸症:急性胃炎、二日酔、口内炎」となっております。
半夏(はんげ)、黄連(おうれん)、桂皮(けいひ)、人参(にんじん)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、乾姜(かんきょう)の7種類の生薬で構成されています。
こちらは、14番の半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)に含まれる黄芩(おうごん)の代わりに桂皮が加わった漢方薬です。
黄連は、胸部から腹部にかけてのからだの内部の熱や炎症を抑える効果があります。
半夏は、嘔気や嘔吐を抑える生薬です。
桂皮は、からだを温める作用のほか、のぼせを改善する働きもあります。
人参は、滋養強壮作用のほか、みぞおちのつかえを取る効果もあります。
大棗、甘草、乾姜の組み合わせは、お腹を温め、胃腸を守る組み合わせです。
熱や炎症を抑える効果のある黄芩を除いて、桂皮を加えることによって、半夏瀉心湯よりもやや「冷え」や「のぼせ」にも対応した胃腸薬になっています。
黄連は、キンポウゲ科の植物で、根茎が生薬の原料になります。
日本産では主にセリバオウレンが使用され、兵庫県(丹波)などが産地になっています。
主要成分は、ベルベリンという物質で、苦味が非常に強く、胸部、腹部にこもった熱を冷ます作用があります。
今年、最後の投稿となります。
1年間、ありがとうございました。
今年は、「メディカルスキルラボ長町」という救急蘇生のトレーニング施設を開設し、救急蘇生コースに明け暮れた怒涛の1年でした。
なかなか漢方のブログの更新をする時間がとれませんでしたが、来年は頑張って、最後(138番)まで完成させたいと思います。
来年もどうぞよろしくお願いします。
参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著
漢方診療ハンドブック 桑木崇秀著
よくわかる漢方処方の服薬指導 雨谷栄・糸数七重著
漢方診療のレッスン 花輪壽彦著
生薬と漢方薬の事典 田中耕一郎編著
Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬 浅岡俊之著