今回は、80番の柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)です。

保険適応病名は、かんの強い傾向のある小児の神経症、慢性扁桃炎、湿疹となっています。

全部で14種類の生薬で構成されています。

黄芩(おうごん)、黄連(おうれん)、黄柏(おうばく)、山梔子(さんしし)は、黄連解毒湯で、熱を冷ます働きがあります。

当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、地黄(じおう)は、四物湯で血を補い、血のめぐりを良くする補血剤の基本骨格です。

黄連解毒湯と四物湯が合わせれば温清飲という漢方薬になります。

柴胡(さいこ)、薄荷(はっか)、連翹(れんぎょう)は発散作用があり、炎症を抑える効果があります。

桔梗(ききょう)、牛蒡子(ごぼうし)は痰や膿を排出しやすくする働きがあります。

括楼根(かろこん)は、潤いを与えて炎症を抑える効果が期待できます。

全体として、神経質で頸部のリンパが腫れやすく、扁桃炎や咽頭炎を繰り返すこどもに適応があります。

からだに冷えがないこと、皮膚が茶褐色であることなどを目安に使用されます。

括楼根は、ウリ科のキカラスウリやトウカラスウリの根が原料の生薬です。

最近は、ほとんどが中国原産のトウカラスウリの根が輸入されて使用されています。

キカラスウリは、かつては日本にも多く自生していました。

キカラスウリの根をつぶして粉にしたものを天花粉といい、江戸時代には、赤ちゃんのあせもの予防のためのベビーパウダーとして使用されていました。

トウカラスウリの花

参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著

漢方診療ハンドブック 桑木崇秀著

よくわかる漢方処方の服薬指導 雨谷栄・糸数七重著

漢方診療のレッスン 花輪壽彦著