芎帰膠艾湯
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
新年早々、ご報告したいことがあります。
昨年11月に、日本東洋医学会の漢方認定医の試験を受験し、昨年暮れに合格通知が届きました。
このブログのはじめの投稿で掲げた目標を達成することができました。
残念ながら、専門医ではないので、漢方医としての標榜はできません。
漢方専門医は、学会が認定する指定施設で3年以上の臨床研修が必須となっているので、私には受験資格がないのです。
しかし、漢方薬が効いた30人分の症例を提出し、そのうちの5名の症例のサマリーををまとめ、漢方専門医と同じ試験と面接を受けて合格できたことは、大きな自信になりました。
引き続き、精進して日々の臨床に生かして行きたいと思います。
さて、今回取り上げる漢方薬は、77番の芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)です。
痔出血に適応のあるお薬です。
全部で7種類の生薬で構成されています。
当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、芍薬(しゃくやく)、地黄(じおう)は、血を補い、血のめぐりを改善する補血薬の基本である四物湯の構成生薬です。
阿膠(あきょう)、艾葉(がいよう)は、止血効果があります。
甘草は、からだの水分バランスを調整するために配合されています。
全体として、体力が虚弱で顔色が悪い方の痔出血に処方されます。
子宮出血や血尿にも応用可能ですが、地黄が入っているので胃腸が弱い方には注意が必要です。
艾葉は、ヨモギの葉が原料の生薬です。
草餅の材料にもなります。
止血作用の他に、月経調整の効果もあります。
よもぎは、お灸に使用されるもぐさの原料にもなるので、漢方では、とても重要な植物になります。
参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著
漢方診療ハンドブック 桑木崇秀著
よくわかる漢方処方の服薬指導 雨谷栄・糸数七重著
漢方診療のレッスン 花輪壽彦著