半夏白朮天麻湯
NHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」を見ています。
宮城県の気仙沼や登米を舞台に天気予報士を目指すヒロインをさわやかに描いたドラマです。
今後の展開がますます楽しみになってきました。
さて、天気予報士ではなくても、天気の変化をからだで敏感に感じやすい方がいます。
中には、台風が近づいて気圧が下がったり、雨が降るとめまいや頭痛が悪化してしまう方がいます。
今回、紹介する37番の半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)は、このような天気で左右される症状に効果が期待できる漢方薬です。
陳皮(ちんぴ)、半夏(はんげ)、人参(にんじん)、黄耆(おうぎ)、天麻(てんま)、白朮(びゃくじゅつ)茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、黄柏(おうばく)、生姜(しょうきょう)、乾姜(かんきょう)、麦芽(ばくが)という多くの生薬で構成されています。
メーカーによっては神麴(しんぎく)という生薬も含まれています。
天麻は、ラン科のオニノヤガラの塊茎を蒸して乾燥させたものが原料です。
めまい、頭痛、けいれんなどを改善する働きがあります。
人参と黄耆の組み合わせが入っている漢方薬は、参耆剤(じんぎざい)といって、気力、体力を補う作用があります。
半夏と生姜は吐き気を抑え、乾姜はお腹を温める作用があります。
茯苓、沢瀉、白朮は利水作用があり、体にたまった余分な水分を尿として出す働きがあります。
黄柏、陳皮、麦芽、神麴は胃腸薬として配合されています。
全体として、半夏白朮天麻湯は、じめじめとした梅雨時に胃腸が弱って疲れがたまり、めまいや頭痛が起こっている時に最適なお薬です。
今年の梅雨も各地で大雨の被害が続出しています。
被災された方には、心よりお見舞い申し上げます。
参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著
Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬 浅岡俊之著
漢方診療のレッスン 花輪壽彦著
ジェネラリストのためのメンタル漢方入門 宮内倫也著