四君子湯
今回は、75番の四君子湯(しくんしとう)です。
やせて顔色が悪く、食欲がなく疲れやすい方の胃のもたれ、嘔気、下痢などの症状に処方するお薬です。
人参(にんじん)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)の6つの生薬で構成されています。
人参は、気力を補い、みぞうちのつかえを取る働きがあります。
朮は、利水効果があり、体にたまった余分な水分をさばく作用があります。
茯苓は、胃にたまった水分をさばく効果の他に、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。
甘草は、水分バランスを整え、体の急迫を防ぎます。
生姜、大棗は、体を温めて胃腸を守るために配合されています。
生命活動を行うエネルギーの素である「気」が足りなくなった状態を「気虚」といいます。
気虚になると倦怠感や食欲不振などの症状が現れます。
四君子湯は、気を補い、気虚を改善する補気剤の基本となる漢方薬です。
四君子湯に陳皮(ちんぴ)、半夏(はんげ)という生薬を加えたものが、43番の六君子湯です。
陳皮や半夏は、甘味を摂りすぎて、胃もたれや吐き気をきたしているような場合に効果が期待できます。
余分なものを外に出す(瀉す)作用が四君子湯に比べて強くなるので、慢性的な下痢症状がある方は、四君子湯の方が適しているとされています。
朮は、ツムラのエキス剤では蒼朮(そうじゅつ)が使用されていますが、クラシエなどでは白朮(びゃくじゅつ)が使用されています。
蒼朮は、ホソバオケラの根茎、白朮はオケラあるいはオオバナオケラの根茎が原料です。
いずれも水分をさばく作用がありますが、白朮の方が、体力をつける効果がやや強いとされています。
一つの漢方薬を構成する様々な生薬の中で、中心的役割を果たす生薬を君薬(くんやく)と言います。
四君子湯には、君薬になり得る優れた4つの生薬(人参、朮、茯苓、甘草)が含まれているので、「四君子湯」と名付けられているのです。
サッカーのワールドカップカタール大会、連日、熱戦が続いています。
日本代表も、いよいよ運命のスペイン戦が近づいてきました。
日本チームの中で、主役になれる4人を選ぶとしたら、鎌田選手、三苫選手、伊東選手、久保選手を挙げたいと思います。
全力で応援します。頑張ってください。
参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著
漢方診療ハンドブック 桑木崇秀著
よくわかる漢方処方の服薬指導 雨谷栄・糸数七重著
Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬 浅岡俊之著
漢方診療のレッスン 花輪壽彦著