竜胆瀉肝湯
今回は、76番の竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)です。
比較的、体力のある方の排尿障害に伴う症状や陰部の炎症に使用される漢方薬です。
全部で9種類の生薬で構成されています。
竜胆(りゅうたん)、黄芩(おうごん)、山梔子(さんしし)は、いずれも炎症をおさめる作用の強い生薬です。
車前子(しゃぜんし)、沢瀉(たくしゃ)、木通(もくつう)は利尿作用があり、余分にたまった水分をさばく働きがあります。
当帰(とうき)、地黄(じおう)は、下腹部の血のめぐりを改善させる効果があります。
甘草(かんぞう)は、水分バランスを整えるために配合されています。
全体として、下半身に炎症性の熱がこもって腎機能が衰え、尿の出が悪くなった状態を改善させる作用があります。
また、鼠径部や陰部の熱感やかゆみを伴う皮膚炎などにも応用されます。
ただし、熱を冷ます効果が強いので、冷え性の方や胃腸の弱い方には向かないお薬です。
竜胆は、リンドウ科のトウリンドウまたは同族植物の根および根茎が原料の生薬です。
「竜の胆汁」くらい苦みが強いという意味が名前の由来とされています。
熱や炎症を冷ます作用の他に、胃の働きを助ける効果が期待できます。
今年、最後の投稿になります。
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参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著
漢方診療ハンドブック 桑木崇秀著
よくわかる漢方処方の服薬指導 雨谷栄・糸数七重著
Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬 浅岡俊之著
漢方診療のレッスン 花輪壽彦著