今回は、11番の柴胡桂枝乾姜湯です。

柴胡剤の中では、一番、体力がなく、やせ型で、冷え性のいわゆる虚証の方に向いているお薬です。

構成生薬は、柴胡(さいこ)、黄苓(おうごん)、括楼根(かろこん)、桂皮(けいひ)、牡蛎(ぼれい)、乾姜(かんきょう)、甘草(かんぞう) です。

ポイントは、小柴胡湯柴胡桂枝湯に含まれている半夏(はんげ)、生姜(しょうきょう)に代わって乾姜が入っている事です。

生姜も乾姜もショウガの根茎が原料ですが、生姜は生のショウガをそのまま乾燥させたものであり、乾姜は、ショウガを蒸してから乾燥させたものです。

生姜は、吐き気などの消化器症状を抑える働きがある生薬です。

カツオの刺身に生ショウガをつけるとおいしいばかりでなく、胃もさっぱりする感じがありますね。

生姜は半夏との相性が良く組み合わせるとより効果が増します。

このため、小柴胡湯や柴胡桂枝湯は胃腸症状が強い時に頼りになる処方になっています。

一方、乾姜は、からだの芯から温める作用が強い生薬です。

これは、生姜に多く含まれるジンゲロールが温められるとショウガロールに変化する事が関係しています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

柴胡桂枝乾姜湯は身体にとって、かなり守備的な布陣になっています。

ゴールキーパーの甘草とセンターバックの栝楼根が、身体の水分を保ち、脱水にならないようにしっかり守ります。

牡蛎が気持ちを落ち着かせ、乾姜は身体の奥までしっかりと温めます。

前線の柴胡と黄苓はやや孤立していて、炎症を抑える効果はそれほど強くない印象があります

 

まとめます。

柴胡桂枝乾姜湯は、やせ型で冷えがあり、神経過敏の方が、風邪などの治りかけの時期に、さらに体力が落ちた場合などに使えるお薬となっています。

更年期障害や不眠症にも適応があります。

ただし、柴胡、黄苓が入っているので長期に使用する場合は、肝機能障害や間質性肺炎に注意が必要です。

 

参考:病気にならない蒸しショウガ健康法 石原新菜著