今回は、35番の四逆散(しぎゃくさん)です。

四逆とは、手足の冷えを意味します。

四逆散は、からだの内側には熱がこもっていても、うまく発散できず、四肢に熱が伝わらない状態を目標に処方されます。

構成生薬は、柴胡(さいこ)、枳実(きじつ)、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)の4種類です。

柴胡は、からだの熱や炎症を冷ます作用やストレスを軽減する作用があります。

枳実は、消化管の運動を促進する働きがあり、上腹部のつかえ感を解消するのに効果的です。

芍薬と甘草の組み合わせは、からだの水分を保ち、腹痛を和らげる働きがあります。

この4つの生薬によって四逆散は、ストレスによって症状が悪化する過敏性腸症候群やストレス性胃炎の方に合うお薬です。

内視鏡検査や腹部エコー検査で特に異常を認めないのに、胃もたれや吐き気を訴える機能性ディスペプシアという病気があります。

この機能性ディスペプシアにも効果が期待できる漢方薬です。

ただし、あまり体力がない方やからだ全体が冷えている方には、不向きなお薬です。

枳実は、ミカン科のダイダイの未熟な果実を乾燥させたものを原料とする生薬です。

ダイダイは、家が代々繁栄するという縁起物で正月飾りにも使われます。

そのまま食べると苦みが強いのですが、ジャムなどの食材としても利用されています。

ダイダイ

参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著

Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬 浅岡俊之著

漢方診療のレッスン 花輪壽彦著

ジェネラリストのためのメンタル漢方入門 宮内倫也著

自然の中の生薬 ツムラ株式会社版