今回は、21番の小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)です。

吐き気やめまいに効果のある漢方薬です。

つわりにも保険適応があるお薬です。

半夏(ハンゲ)、生姜(ショウキョウ)、茯苓(ブクリョウ)の3つの生薬のみのシンプルな構成です。

漢方薬は、生薬の数が少ないほど、効き目がシャープと言われています。

半夏と生姜は、吐き気に効果のある定番の組み合わせです。

茯苓は、水をさばく作用の強い生薬で、気持ちを落ち着かせる効果もあります。

副作用の強い生薬は含まれておりませんが、妊娠初期のつわりには、医師や薬剤師に相談してください。

あまり、熱いお湯で溶いて服用するとかえって吐き気を誘発する事があります。

ぬるま湯か冷水を使用することをお勧めします。

 

 

茯苓は松の根に寄生する真菌(きのこの仲間)の菌核で、マツホド(松塊)とも呼ばれます。

高級食材のトリュフと同じような生態です。

トリュフは独特な匂いを嗅ぎ分ける豚や犬を使って採取されていますが、マツホドはほぼ無臭のため、昔は茯苓突きという1m位の鉄棒で松の根元の地面を突き刺し、マツホドの内部の白い成分が鉄棒の先端に付着することを確認してから採取したそうです。

茯苓突き→ https://www.pharm.or.jp/herb/lfx-index-YM-201110.htm

松は神聖な木とされており、その精霊に伏せる存在として伏霊(茯苓)と名付けられたと言われています。

 

茯苓   マツホドの菌核の皮を除いた部分を生薬として使用します

 

北京のお土産に茯苓餅という有名なお菓子があります。

茯苓と小麦粉で作った皮で甘い果物などの具材をはさんだものです。

茯苓餅→https://ameblo.jp/touyouigakukennkoukai/entry-11654671789.html

美容にも良いと言われていて、清朝末期の西太后が好んで食べていたそうです。

参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著

Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬 浅岡俊之著

漢方診療のレッスン 花輪壽彦著

自然の中の生薬 ツムラ株式会社版