葛根湯
今回から漢方の処方をまとめていきます。
漢方薬の名前は、漢字ばかりで読み方も難しいですね。
番号で覚えている方も多いと思います。
そこで、わかりやすいように番号順で勉強していきたいと思います。
まずは1番 葛根湯です。
これは皆さんも良くご存知ですね。
古典落語で葛根湯医者というのがあります。
頭痛でも腹痛でも足が痛くても、しまいには付き添いに来た人にも葛根湯を出しちゃう医者のお話です。
葛根湯は、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)葛根(かっこん)麻黄(まおう)の7つの生薬を混合した処方です。
このように漢方薬は、いくつかの生薬が組み合わさって構成されています。
葛根湯から、葛根と麻黄を除いたものが桂枝湯(45番)です。
桂枝湯も身体を温める作用があるので風邪の初期に処方します。
葛根は、クズの根で、葛餅や葛湯の原料にもなります。
葛根は、首の後ろ(うなじ)の凝りを和らげる作用があります。
麻黄は、エフェドリンという交感神経を高める成分が含まれるので、代謝を活発にして汗をかかせる作用があります。
エフェドリンは、本格的なアスリートの方には禁止薬物になってしまうので注意が必要です。体力のない方や妊婦さんにも不向きです。
麻黄を使いたくない時は、桂枝加葛根湯(東洋)を処方することおあります。
まとめます。
葛根湯は、比較的体力のある方で、風邪の初期に寒気がして、首の後ろが凝ってまだ汗をかいてない時に飲む薬です。風邪でなくても肩こりを伴う頭痛がひどい時も効果があります。すぐに飲めるように常備薬にしていた方が良いと思います。