茯苓飲合半夏厚朴湯
今回は、116番の茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)です。
効能・効果は、「気分がふさいで、咽頭、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気、胸やけなどのがあり、尿量の減少するものの次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、溜飲、胃炎」となっています。
全部で9種類の生薬から構成されています。
69番の茯苓飲と16番の半夏厚朴湯を合わせた漢方薬で、茯苓(ぶくりょう)と生姜(しょうきょう)は共通して含まれています。
茯苓飲と半夏厚朴湯は、いずれも中国の漢の時代の書物に記載されていますが、茯苓飲合半夏厚朴湯は日本で使われるようになった漢方薬です。
茯苓飲は、胃部にたまった余分な水分をさばく作用があり、半夏厚朴湯は、気のめぐりを良くして、食道のつかえ感を改善します。
この2つの効果が合わさることによって、胃腸の弱い方の不定愁訴に使いやすいため、当院でも使用頻度の高い漢方薬となっています。
半夏(はんげ)は、サトイモ科のカラスビシャクのコルク層を除いた塊茎が原料の生薬です。
吐き気や痰を抑える働きがあります。
夏の半ばに花を咲かせることが名前の由来となっています。
また、花を包む仏炎苞(ぶつえんほう)の形をカラスが使う柄杓(ひしゃく)に見立ててカラスビシャクという名前になったと言われています。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
受粉に協力してくれた虫の逃げ場を用意してくれているとは、何とも親切な草ですね。
生薬としての価値があり、農家の方の副収入になることから「ヘソクリ」という別名があるのも面白いですね。
参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著
漢方診療ハンドブック 桑木崇秀著
よくわかる漢方処方の服薬指導 雨谷栄・糸数七重著
漢方診療のレッスン 花輪壽彦著
生薬と漢方薬の事典 田中耕一郎編著