今回は、32番の人参湯です。

体力がない方で、お腹が冷えて痛んだり、軟便になりやすい方に処方するお薬です。

人参(にんじん)、乾姜(かんきょう)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)の4つの生薬から構成されます。

人参は、ウコギ科のオタネニンジンの根が原料の生薬です。

高麗人参や朝鮮人参とも呼ばれ、普通に食卓で食べているニンジンとは違うものです。

体力、気力を補う作用のほかにみぞうちのつかえをとる働きがあります。

収穫までに5~6年を要し、しかも一度収穫した畑は1年間は休ませなければならないそうですから、とても貴重な生薬です。

引用:薬用作物栽培の手引き オタネニンジン編→ https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/Otaneninjin_warc_man2021.3.15.pdf

 

オタネニンジンの実

 

乾姜は、生姜を蒸した後に乾燥させた生薬で、からだの中心を温める作用が強くなっています。

蒼朮(メーカーによっては白朮)は、余分な水分をさばく生薬ですので、下痢を抑える働きがあります。

白朮の方が、体力を補う作用がやや強いとされています。

甘草は、脱水を予防して、からだのバランスを整える作用があります。

人参湯は、甘草の量がやや多いので、低カリウム血症やむくみ、血圧上昇には注意が必要です。

今回、人参湯と検索して知ったのですが、全国には人参湯という銭湯や温泉がけっこうあるようです。

福島県の会津は、オタネニンジンの産地でも有名で、薬用人参が入ったお風呂のある温泉もあるそうです。

一度、行ってみたくなりました。

 

参考:活用自在の処方解説 秋葉哲生著

Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬 浅岡俊之著

漢方診療のレッスン 花輪壽彦著